行動に移せないのは意思が弱いから?? 後編

前回の記事で、何か行動に移そうとしたときに、恐怖によって行動が邪魔されるということをお話ししました。

 

imicro.hatenablog.jp

 それでは、どのようにして対処していけばいいでしょうか。ここではそれぞれのタイプについての対処法を提案していきます。

 

恐怖の種類

さて、僕らはどういったものに恐怖を感じるのでしょう。

自分自身を振り返ってみると主に次の三種類ありました。

 

  1. 「失敗したくない」という恐怖
  2. 「失いたくない」という恐怖
  3. 「変化したくない」という恐怖

 

この3種類です。それぞれについて説明と処方箋を説明していきます。

「失敗したくない」という恐怖

どうやら僕らの多くは、失敗するということに異常に神経を使いすぎる傾向があります。振り返ってみると、小さいころに「失敗はダメなことだ」という風に教育を受けたり、経験上そのように捉えてしまうことが元になっている気がしています。

「受験に失敗したらダメ」だとか、「テストでいい点とらないとダメ」、「就職失敗したら負け組」みたいなことを言われれば言われるほど、失敗に過剰なほど敏感になっています。

失敗=NG?

では本当に失敗ってそんなに悪いものなのでしょうか?こう聞くと多くの人は「違う」と答えると思います。

もちろん余計な失敗は回避すべきだと思います。しかし、何かを成功させようとしたり、成長しようとしたりするときに伴うリスクとしての失敗に対して、恐れすぎてしまいます。

そもそも、100%うまくいくということなんて滅多にありません。

それに、「自分の目標を実現する」という観点からすると、「やりたかったこと」をやらなかったという事実そのものが、100%失敗したということを意味します。

行動を起こすと、少なからず可能性は0%ではありませんし、失敗したとしても経験値として残ります。(もちろん最初は取返しのつく範囲ですることをお勧めします)

 

「失いたくない」という恐怖

僕らはどうしても、何かを得ようとするときよりも、何かを失うのを止めるときの方がより力が働きます。手に入れたものは失いたくなくなるのです。例えば、昔大事にしていたものを捨てるのもそう。もう使わないのに、失いたくないという気持ちが働いて捨てられなくなってしまうことがあります。それは思い出を失ってしまうのではないか、であったり、ほとんどの場合起こり得ないのに、「この先必要になって困るのではないか?」と捨てるのをためらったり。

 

必要以上に失うことに注意を払いすぎているんですよね。

 

将来起こり得ることや、まだ手に入れていないことにも失うことを考えてしまいます。

例えばまだアプローチもしていないのに「フラれたらどうしよう」であったり、付き合ってもいないのに「別れたらどうしよう」。就職してすらいないのに「不況になってクビになったらどうしよう」だとか。先のことにまで「失ってしまうのではないか?」と必要以上に心配してしまいます。

ケセラセラ

冷静に考えると先のことを考えても仕方のないことです。もちろん各々回避するように備えておく必要はあると思いますけど、考えても仕方のないことに余計な恐怖を持ちすぎてしまうんですよね。

冷静になって考えてみましょう。今抱えている恐怖は今考えてどうにかなることですか?

 

「変化したくない」という恐怖

例えば、新しく「なにかをしたい!」と思ったとします、そうすると何か行動を移します。そうすると、結果と共に必ず変化が起きます。

例えば

「ギターを弾きたい」→練習する→ギターが上手になる

といったライトなものから

「起業したい!」→起業する→従業員から雇用主になる

といったヘビーなものまで様々です。

しかし、人間は本質的に変化を嫌がります。そのため、新しい自分への変化をも妨げてしまいます。

 

たとえそれが自分にとってプラスなことであってもです。

 

結構ぽっちゃり系の友人の話なのですが、モテたいと一念発起してダイエットすることを宣言しました。結構周りに宣言していたので割と本気だったように見えました。しかし、1か月2か月たっても見た目に全く変化がありません。ダイエットするどころか、しだいに「やっぱ無理だわ」とか言い始めたので、「なんだこいつ、周りに宣言しといてこれかよ」と少し冷ややかな感情を抱いたのを覚えています。

後々話をしていてわかったことなのですが、彼は本気でモテたかったみたいで、結構裏でダイエットに取り組んでいたんだそうです。彼はぽっちゃり系であることで、みんなに愛される、そんなキャラクターでした。本人にはそれがとてもうれしかったことのようでした。しかし、ダイエットして、体型がスリムになることで「みんな俺から離れていくんではないか」という潜在的な恐怖が彼の中にあり、それが彼のダイエットを失敗へと導いていたんです。

 

「ゆく川の」

この恐怖への対応のヒントは、昔の人が教えてくれていました。

「ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」『方丈記

 

鴨長明の有名な作品『方丈記』の冒頭の有名な文です。

掻い摘んで説明すると、川と同じく世の中も絶えず変化しているということを記した文です。

大昔からそうであったように、世の中は絶えず変化します。

つい10年前にはこんなものが流行っていました。

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(http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0702/20/news046.html)より

 当時の人気だったケータイです。

当時使っていたケータイもあってなんだか懐かしいです(笑)

変わって2016年現在ではこちらです。

 

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(http://smcomemory.com/iphone-4385より)

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http://www.au.kddi.com/mobile/product/smartphone/sov31/より)

 

この10年で流行りのものがこれだけ変化しているんですよね。人だって同じです。

さだまさしが1979年に『関白宣言』という曲を出しています。ミリオンセラーとなった一大ブームを巻き起こしたそうです。



これ最近の価値観に照らし合わすと違いすぎてびっくりしますよ(笑)

でもこの曲は当時の人々の心をつかんでいたからこそ、これほどまでに驚異的な売り上げをたたき出したんですよ。(もちろん当時においても女性団体からクレームがあったようですが)

 

少し前に流行った曲といえばこれでしょうか



えらい違いです(笑)

こんな風に人や価値観だって大きく変化します。物事に変化しないことなんてほとんどないんですね。

「変化しないこと」なんてほとんどないんです。むしろ「変化して当たり前」なんです。変化するのが普通なんだと認めましょう。変化することを踏まえた上で乗り越える、すると無駄な抵抗をしなくて済むのでとても楽になりますよ。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。前回の記事と2回にわけて、恐怖が行動を妨げているということ。そしてそれらの恐怖を種類別にわけて、それぞれに対して処方箋を提示しました。これらの恐怖が実際に僕らの中にあるんだ、ということを認識したうえで、隠したりせずに、乗り越えるという発想で対処するということが大事になります。

一度自分の中にある恐怖を一通り洗い出して見れください。冷静に見つめてみると心がすっと楽になりますよ。