目標を達成する方法
前回の記事では、三日坊主になってしまいがちな人が、なぜ目標が達成できないかについて書きました。
ではどうすればいいのか、その具体的な方法を提案したいと思います。
PDCAサイクルを活用する
(写真:PDCAサイクル - Wikipedia)
PDCAサイクルはwikipediaに次のように書かれています。
PDCAサイクルという名称は、サイクルを構成する次の4段階の頭文字をつなげたものである。後に、デミングは、入念な評価を行う必要性を強調してCheckをStudyに置き換え、PDSAサイクルと称した。
- Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する
- Do(実施・実行):計画に沿って業務を行う
- Check(点検・評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する
- Act(処置・改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする
この4段階を順次行って1周したら、最後のActを次のPDCAサイクルにつなげ、螺旋を描くように1周ごとにサイクルを向上(スパイラルアップ、spiral up)させて、継続的に業務改善する。
この考え方にのっとり,Plan,Do,Check,Actそれぞれのやり方への提案をしていきたいと思います。うまく回るようになったとき、あなたも確かな変化を感じられると思います。
Plan:計画
まずは計画、平たく言えば目標設定についてです。目標設定に関するポイントとしていえるのは次の二つあります。それは
- 目標は具体的で、可視化できるものにする。
- 大きい目標は、小さい目標に小分けにする。
この二点です。
目標は具体的に
目標は具体的なものがいい、次の行動のフェーズにつながりやすくするためです。
そのため、目に見えて行動につながりやすいもの、もしくは行動目標がよいでしょう。
例えば次のように目標を変換するとよいでしょう
- 「社員と仲良くする」→「社員に毎朝挨拶する」
- 「○○kg痩せる」→「毎朝出勤の際駅まで歩く」
- 「 数学の成績を上げる!」→「毎朝計算問題を3問解く」
こうすると、具体的に何をすればいいかを先に考えるので、次のステップにつながりやすいのです。
大きい目標は小分けにする
例えばあなたが高校生だったとして「○○大学に合格する」という目標を立てた場合を想像してみてください。このとき、
なりたい理想の自分と今の自分との差、ギャップを埋める
必要があります。大きい目標の場合このギャップが数種類にわたります。
しかし、一度にたくさんのことをやることに人間は適してないんです。ためしに素数を数えながら親しい友人のことを想像してみてください。やってみてくださいよ?
どうでしょう、交互にできても同時にやることは難しかったと思います。
またギャップを埋める間にはストレスがかかります。目標が達成する保障などどこにもないからです。ギャップを埋める間というのは本当に到着するかわからない航海のようなもので、常に不安と隣り合わせになるんですね。生物学的にいうと淘汰圧のようなイメージです。人間は機械ではありません。そのためストレスをなるべく減らす必要があります。
なので、目標は一つずつ小分けに、難しい目標は少しずつステップアップするようにしましょう。
ちょうどゲームのようなイメージです。ポケモンに例えると、最終目標(チャンピオンを倒す)のために小さな目標(「○○LVまで上げる」、「ジムリーダーを倒す」)をクリアしていく。このようなゲーム感覚で進めていくことがオススメです。
Do:行動
では目標が定まったら、実際に行動に移してみましょう。
行動は継続が必要です。なので、自分自身をコントロールして行動を継続させる、ことが重要です。ではどうすればいいでしょう。その前に知っていてほしい事実があります。
出来事→情動→行動
高校の国語で小説をやったことある人ならば、この図式は見たことがあるかもしれません。小説は人間の言葉で描いた芸術作品なのですが、基本的には上の構図で書かれています。
例えば、「A子がBを殴った」→「Bが泣いた」ということが描かれていたとします、ここでBの心情として適当なのは、悲しいでしょう。BがよほどのMで殴られてうれしくて泣いたとかいうケースがないとは言えませんがそういうのはまれでしょう。
逆にその時の情動によって出来事が歪んで見えることがあります。心理学的にはフィルタリング理論と呼ばれているものです。
「始めて恋人ができると世界が違って見える」という言葉を耳にした、もしくは経験したことがありませんか?これは普段と変わらない日常が、恋人ができて幸せな気持ちを通すことで、いままでとは違ったように見えるという例といえます。
つまり、行動には心情がつきまとい、心情はフィルターの役割をしている、ことがわかります。
行動を継続していこうとすると、この心情とうまく付き合っていく必要があるんです。ここまでは理解してもらえたかと思います。では、心情とうまく付き合っていくにはどうすればいいでしょうか?
気持ちに嘘をつかない
これにつきます(笑)。やりたくないものを嫌々やろうとしたりすると、3日ぐらいは持ちますがやがて続かなくなります。ふとしたきっかけで気持ちが切れてしまうんですね。
「いやいや、そんなことはいってもやらなきゃならないんだよ!」
と言われるかもしれません。そいういうときにすべきことは、気合を注入するより、これならできる、というものをやってみる。というように少しレベルを落としてあげるんです。
試しにやってみてください、すると意外なことに、やってみると思ってたより面倒じゃないことが少なくないんですよね。
先ほど、同時に2つのことはできないということを言いましたが、これは心情の場合にも言えることなんですよね。激怒したり泣いたりしながら全力疾走している人見たことありますか?
Do:行動のポイント
- 行動には心情がつきもので、心情はフィルターの役割をしている。
- 気が乗らないときは、これならできそうというレベルにまで落としてみる。
また行動を継続させる方法についてはこの本もオススメです
Check:評価
さて行動に起こしたら振り返ってみましょう。
この振り返りっていうのは意外と見落とされがちです。
社会人のも思いだしてみてください。学生のころ、勉強のために、問題集をやって丸ツケして終わりー!!みたいなことしてませんでしたか?
確かに問題を解くのである程度成績は伸びるのですが、ある程度いったところで行き詰ってしまうんですね。なぜかというと
- どういうところが良かった/悪かったのか
- それはなぜそうなったのか
がわかっていないと、その後どうすればいいかがわからなくなってしまうんですね。
「わからないところがわからない!!」というのはこのステップの欠如が原因です。
では振り返りにはどうすればいいでしょう?
日記をつける
日記をつける、これにつきます。自らの日々を文字として残しておくんですね。
人間すぐ忘れてしまいますが、日記をつけることで後から自分を見返すことができます。
「日記かー、よく小学生の頃、夏休みの宿題でやったけどこれが続かないわ。」という人がいるかもしれません。私もそうでした。ここで日記を続けやすくするポイントとして重要なことは、
必ずしも感想を書く必要はない、自分の行動がわかれば十分だ
ということです。
自分の場合を例にあげると、「○○日、今朝は□時に起きられた。コンビニで商品を選ぶのに時間を使いすぎた。××君に相談を受けた、・・・」のように箇条書きにしています。
日記を書く習慣がついたら、それを定期的に読み返してみましょう。自分の意外な癖が見つかりますよ。
日記の書き方に関してはこれが詳しいです
Act:改善
さて、日記で自分自身のログをつけたら、それらをもとに内省してみましょう。
ここでのポイントは、
- 日記から自分の行動のどこ良いか、悪いかを認識する
- なぜそれが起きるのか考える
- どうすれば継続、もしくは改善できるかを考える
- 行動にうつす
ことです。ここで注意しておきたいのは、
目標そのものも変更してもいい
ということです。なにも無理して同じ目標に固執する必要はありません。
問題が目標としていることの他にあったならば、勇気をもって舵を切ることも必要です。
また目標のレベルを少し下げる、というのも有力です。
例えば
「毎朝ジョギングする」を目標としていたとしましょう。しかし朝が弱く、毎朝ギリギリで起きてしまっていて、全然ジョギングができていない。という状況だったとします。となるとここですることは「毎朝ジョギングする」ことの前に「毎朝6時に起きる」であったり「日付が変わる前には寝る」ことが必要ですよね。「いや、毎日ジョギングするって決めたからやるんだ!!」という気概があっても、続けられていないのならば時間がもったいないです。
そうして目標や行動が修正されたら、また継続していきましょう。
必ず、何かの変革が得られるでしょう。