【書評】 人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの

GWで時間あるし、たまには普段読まないようなやつよみたいなー

そんな感じで図書館を歩いていると、ビビっと来たので借りてきました。

f:id:iMicro:20160508105502p:plain

 

 

人間超えるの!?どうなの!?

 

少し前にGoogleの作った人工知能、AlphaGoが世界トップレベルの棋士を破ったニュースで騒がれていて気になっていたので読んでみました。

一冊について書評書くのは初めてなのでお手柔らかに。

 

 「人工知能」はまだできていない

人工知能っていう言葉が独り歩きしているけど、本当の意味で人間のように考える機械はまだできてないよ、という話。

 

そして、世間が人工知能をどう認識しているのか、段階別に分けた説明して、面白いことにそれらの段階別の認識は、人工知能の研究の発展経過とうまくマッチしているよっていう話。

 

なんか人工知能という言葉がニュースとかで盛んに言われるようになって、てっきりSFにでてくるような、暴走する人工知能みたいなのが生まれたのかと思いきや、そういうわけではないらしい。まぁそうよね。

3度のブーム

実は人工知能についてブームが巻き起こったのは、今回が初めてではなく、これが3回目のブームだとのこと。これらのことなどを含めた、人工知能の研究の歴史的経緯に触れられている。

そして今回の3回目のブームはこれまでにないほどすごいものなのだといわれているらしい。

第一のブーム:「推論」と「推測」

最初のブームについてのお話。コンピューターが沢山計算できるから、あらかじめルールが決まっているようなものに関しては、人工知能がとても役に立つことがわかったよという話。

ルールが決まっているものといえば例えばチェスとか将棋で勝つといったこと。

 

だけど、ルールがちゃんと決まっていないような現実の問題にはうまくいかず、ブームは去ったのだとか。

 

現実問題とても大量の選択肢があるから、そう簡単じゃないよねー。

第二のブーム:「知識」を入れる

コンピューターにいろんな知識、例えば言語とか医療知識とかを入れることで、現実にも役に立たせようとした、っていう話。

 

例えば、予めコンピューターに風邪の症状の知識をかたっぱしから入れておいたとする。そうしたら、患者に自分の症状をコンピューターに入力することで、自分の症状をがわかるようになる、といったような話。

 

これなら役に立ちそうだ..しかし。

 

コンピューターはさっきいったように人間のように考えることができないから、意味を認識できず、入れておかないといけない知識が膨大すぎて無理だったのだとか。

 

Google翻訳が意味不明の訳をするのもこのせいなんだとか。

第三のブーム:「機械学習」とディープラーニング

じゃあ今のブームはなんなのかというと、ネットのおかげで大量のデータがあるから、そのデータを使って予測とかするようになったという話。

 

昔のデータを大量につかって、確率的に予測するっていうことらしい。その予測は何段階もステップを踏むことができて、それを何ステップも増やすことができるようになったのが、この本のタイトルにもあるディープラーニングという手法なのだとか。

 

昔の経験(データ)から予測するって、人間がやってることとまんま同じだよなー。 

で、人工知能ってどうなっていくの?

ディープラーニングっていう手法が編み出されてから、今後こういうことが人工知能でもできるかもしれない、というのをまとめた話。

 

どんどん人工知能の性能は進歩していて、今後社会にどんどん活用されていく見通しなのだとか。Google検索とか、Amazonのオススメ商品とか、今まさにほしいと思っていたものを広告に出したりするようになったと実感しているし、これはそう遠くないのかもしれない。

 

そんななかささやかれているのが、シンギュラリティというものが起こる可能性だ。

シンギュラリティの可能性

「シンギュラリティ?」

最近本屋でよくこのワードを目にするのですが、こういうこと。

今まで人間が開発している人工知能自身が、自らよりも優れた人工知能を作れるようになったとする。そうすると、だんだんと知能が増していって、永遠と知能の高い人工知能が誕生することになる。そうしていくうちにできた人工知能が、いつか人間を超えるようになるかもしれないということ。そして人工知能が自らよりも優れた人工知能を作れるようになる地点のことをシンギュラリティと呼んでいる。

 

 こういった危険性があるため、人工知能に関する倫理委員会を立ち上げたりしているのだとか。筆者はシンギュラリティの可能性に否定的のようだ。結局は「わからない」というのが正解なのかな。

10年から20年で消える職業、消えない職業

正直SFのような話より気になるのはこれ、ご飯食べられなくなっちゃうと困るからね。

 

オックスフォード大学の論文に示された、消える職業と消えない職業について書いて、これから起こるだろう未来を予測してみようっていう話。

 

データを扱うような職業とかには人工知能の活用が進む一方で、人との交流が必要な職業は、やはり人間のままというのが多いかもよという話だった。

 

機械にできなくて人間にできるところって、結局は人間同士のコミュニケーションとかの話になるんだなって思った!

 

この話に関して詳しく書かれている記事を見つけました。

まとめ

人工知能といま世間で騒がれているものは、一般の人が想像するような、人間のように考える機械ではなく、データを活用したものだったんですね。

 

その裏には地道な研究があったこととか、ブームとブームの間の冬の時代があったこととかも忘れちゃいけませんね。

 

今ニュースで人工知能が一大ブームになっているわけなんですけど、このブームにのっかってどんどんお金が流れて、結果何か発展があるといいですね。

 

とりあえず今日明日で人工知能が人間を超える心配をしなくて済みそうなので安心しました。今度もう少し詳しい本読んでみようかな?